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※エジプト旅行記2008の【もくじ】はこちら!


モハメド・アリ・モスクの中を見学します。

モスクはイスラム教徒の方達にとって神聖な場所ですから、
我々観光客も靴を脱いで入室します。

肩が出るような洋服や、短パンもNG。
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堂内には、大きくて豪華なシャンデリアが。
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床に腰をおろし、現地ガイドMさんのお話を聞きます。



実は、私がこのエジプト旅行記を今更ながらも書き残しておきたいと思った理由の1つは
この日ガイドさんに聞いたお話にあるのです。

日本から遠く離れたエジプトという国のこと。
そして、そこに暮らす人々の多くが信仰するイスラム教という宗教のこと…

知っているようで知らなかったお話を、たくさん伺うことができて、
ちょっと目からウロコだったり、それまでと見方が変わったようなところがあって。


今回はこれまでに比べると文字量多めの記事ですが、
もし興味がある方がいたらぜひ読んでみてほしいです。


※以下、移動中にバスの中で聞いたお話も一部含まれますが、
 旅行中にガイドさんから教えてもらった話をまとめて書き出してみました。


ラマダンとは

イスラムの暦では、9月は「ラマダン」と呼ばれる断食の月です。
(なお、イスラム暦の1年は365日ではないため、西暦での日付は毎年ずれていきます)
この1ヵ月の間は、「日の出から日没まで」一切何も口にしてはいけません。

断食というからには、丸1日何も食べてはいけないのかと思っていたけれど
(それはさすがに無理だ)、日没後は食べてもOKなんですね。

とはいえ、暑いエジプトで日中は水も飲めないというのは簡単なことではありません。
ラマダンが真夏に当たる年などは、夜のうちにしっかり水分を補給しておくそうです。

また、ラマダンに参加するのは「心身が健康な人」に限られるそうで、
お医者さんの指示がある人は必ずしもやる必要はないとのこと。
妊婦さんや高齢の方も免除の対象になるとのこと。

仕事の就業時間も普段より短くする会社が多いようです。
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私達の感覚だと、

「断食月が1ヵ月にも及ぶなんて、どんなに大変なことだろう」

と心配してしまいますが、Mさんによるとそれはちょっと違うみたい。


「イスラム教徒の方達にとってのラマダンは、決してつらい・苦しいばかりの行事ではなく、
1ヵ月間続くお祭りのような感覚なんですよ」


えー!お祭り!?

とちょっとびっくりしましたが、たとえば、
日本のお正月のようにテレビでは特別番組が放送されたり、
昼間食べられない分、夜にたくさん食べすぎて太ってしまう人がいたりするそうで。


こんな風に聞くと、確かにちょっとお祭りっぽいかもしれない。


そういえば、ラマダンからちょっと話は逸れますが、もう1つ面白い話を聞きました。

エジプトの方はお酒を飲まない(宗教的にNG)代わりに、甘党の人が多いのだそうです。
エジプト人の砂糖消費量は1ヵ月になんと平均2.5kg、年間35kg!

非常に暑い国であるということは多分に関係していると思われますが、
エジプトの人達は1日に3300kcalも摂取するとのこと。
日本では大体2000kcal程度が目安とされているので、1.5倍以上ですね。


一夫多妻制について

イスラム教では「一夫多妻制」が認められています。
これも私達日本人にとっては未知のものですよね。
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法的に認められているとはいっても、実際に複数人の奥さんと結婚している人は
全体の1%にも満たないそうです。


その理由は、この一夫多妻制には

「経済的にも愛情的にも 全ての妻を平等に扱わねばならない」

というルールがあり、旦那さんの負担がとても大きいから。

複数の奥さんに囲まれる生活にもし憧れる男性がいたとしても、
誰もが簡単に実現できることではなさそうです。


ちなみに、夫1人につき妻は4人までという決まりで、
2人以上の妻を持つ場合には必ず第一夫人の許可が必要なのだとか。


これまで「一夫多妻制」と聞くと、どうしても時代遅れで男尊女卑な制度、
という印象が強かったのですよね。でもMさんの話を聞いて

「“思っていたよりは”、女性側にも多少の配慮がある制度なんだな…」

と感じました。
うーん、でもやっぱり今この2000年代にもなってどうなのかなとは思いますけど。


メッカ巡礼

御存じのように、メッカ=イスラム教の聖地です。
イスラム教徒の方たちは、


「一生に1回は、サウジアラビアのメッカに巡礼に行きたい」


と思っている方が多いのだそう。

ただし、旅行会社が企画するメッカ巡礼ツアーは、10~14日間で大体1人80万円程度。
お金に余裕がある人じゃないと行けませんね。
それでも、巡礼月のメッカにはなんと世界中から500万人(!)もの人が集まるんだって。

なお、ご存知のように、イスラム教には1日に5回の礼拝の時間がありますが、
今回の旅行中も、ガイドMさんは食事や休憩の時間の度にちゃんと地面に敷物を敷いて、
メッカの方角を向いてお祈りをしていました。
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ちなみに、イスラム教には「牧師さん」や「お坊さん」のような立場の人はいません。
聖教者はいますが、その役割は「教える人」。
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そうか、そういえばイスラム教では一切の偶像崇拝を禁じているから、
モスクの中にも絵や彫刻のようなものは無かったです。

天井や柱は抽象的な模様で装飾されていましたが、それだけ。


ヒジャブについて

最後に、ヒジャブについての話。
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エジプトに限らず、イスラム教徒の女性は、
髪をスカーフ(ヒジャブ)で覆い隠さなくてはなりません。

イスラム圏の国々の中には、

・女性は髪だけでなく顔まで全て覆い隠さなければならない
・全身真っ黒の衣装しか許されない

といった厳格な戒律を守り続けている国もあり、旅行者であっても(イスラム教徒でなくても)
必ず現地の服装規定を守ることを求められるケースもあるようですが、
エジプトはその辺のルールはそれほど厳しくはないようでした。

私達旅行者はヒジャブを身につけていなくても問題なく観光させてもらえましたし、
現地の女性たちは、洋服を選ぶのと同じように色鮮やかなヒジャブを身につけていました。

ガイドMさんによると、

「ヒジャブは現代では女性弾圧の象徴として批判を受けることも多いが、
実際に身につけている当の女性たちとしては生活の一部になっている。習慣のようなもの。」

とのこと。

自分のおばあさんや、そのまたおばあさんの時代からずっとそうしてきたから、
自分達もそうしている。それだけ。

そう言われてみれば確かに、旅行中に出会ったエジプト女性の服装は、
それほど厳しいルール下にあるという印象は受けませんでした。

若い女性達はカラフルなTシャツにジーンズ姿の方も多く、
ヒジャブの色をその日の洋服と合わせてコーディネートしている。


うん、私達となんら変わりない。


髪は隠しているものの、みなさん素顔は出して生活していらっしゃいましたから、
「家族以外の男性の前では顔を晒してはならない」というような国に比べると
Mさんのおっしゃる通り、エジプト女性にとってのヒジャブは
「戒律」というよりは「習慣」として今も受け継がれているものなのかもしれません。





と、こんな風にみっちりエジプトやイスラム教についてのお話を伺うことができて、
本っ当に勉強になりました。
エジプトについても、イスラム教についても、知っているようで全然知らなかったなーって。

それも、「エジプト生まれ・エジプト育ち」であるMさんに直接お話を聞けたというのは
すごくすごく貴重な体験でした。

本当にこのツアーに参加できてよかった~! 



考古学博物館

さてさて、旅も終盤です。
続いてはこちら!
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エジプト考古学博物館ーーー!!

言うまでもなく、エジプトで一番有名な博物館です。
滞在時間があまりなくて(たしか2時間くらい)急ぎ足で見学しました。

ツタンカーメンの墓から発見されたや財宝などもこちらに展示されています。
あの有名なロゼッタストーンもね!
(あの石、税金の話が彫られているんだって!)

残念ながら館内はほぼ撮影禁止だったので外観の写真しかないんですが、
ここもすごく面白かったですー。
(もうすこし詳しくレポートしたかったんですが、なんせ写真がないので
 これ以上文章のみでは解説できなくて…すみません…)

エジプトの遺跡を一通り見て回って、最後にここに来られたというのも良かったな。



最後のランチ

エジプトでのラストランチの時間がきてしまいました。
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連れてこられたのは…水上レストラン。
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最後の食事のメニューは…なんと…
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イタリアンwww

なぜwww
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まあでもイタリアンっていうか、むしろエジプト料理ですよねこれは笑
ごちそうさまでした!

(つづく!次で多分最終回!)